Column

ワークドライブラウンジ メンバーインタビュー

2024.09.11 up

経営者/社員/他社人材/外部の専門プロ人材(ドライバー)が、それぞれ対等な関係で相互に学び合い、成長し、事業をドライブさせる場として、6月で半年を迎えたワークドライブラウンジ(WDL:WORK DRIVE LOUNGE)
初期よりご参加いただいている、株式会社ワカルク代表取締役 CEOの石川氏に、この半年を振り返りつつ、WDLについて語っていただきました。


話し手:石川 沙絵子(株式会社ワカルク代表取締役CEO)
聞き手:細野真悟(WDL発起人)、井尾佐和子(WDL発起人)
構成・執筆:片倉修也(WDL事務局)
「解決の方向性も決まっていない課題に対して、発散する場を必要としていたんだと思います」

「働くことに夢中になれる環境をつくる。」を理念に、オンラインのオフィスワーク代行業を中心に事業展開する株式会社ワカルク
働く一人ひとりが、1分、1秒でも、より創造的な仕事、本質的な仕事にフォーカスできる環境をつくりたい、働く以外の人生の時間も充実させられるようになって欲しいという願いから、日々サービスを磨き社会と向き合う代表の石川氏に、何を期待してWDLに参加し、半年を経てどんな変化があったのかを伺いました。

自覚的でない課題に出会えた

――ワークドライブラウンジ(以下WDL)に参加された理由は。
細野さんが立ち上げるものに興味があったのは間違いないんですが、それはいくつかある要素の一つだったと思います。私、最近誰に何を相談していいのかわからなくなっていたんですよね。課題を(こちらで)特定しないと、やっぱり社外の人には相談しにくいっていうのを感じていて。複合的な問題を俯瞰して話せる人っていないなって思っていたので、それができるというのは興味がありました。うん、興味があったというより、解決の方向性が決まっていない課題に対して発散する場を欲していた、必要としていたっていう感じです。

――実際に参加されてみてどんな場だと感じましたか?
置いておくというか、結論を出さずに今ある自分の感覚を味わっておいていいんだと、肯定された感覚がありました。なんというか、経営者として課題を特定して解決していかなければいけないって自分で思い込んでいたんですよね。そして、他の経営者の方もだいぶ自分と同じような(思い込みの)感覚を持っていらっしゃるんだなと。それはある意味で安心感でもありました。

――思い込みが取れたことは良かった?
はい。今までは余裕がなかったんですよね。(WDLのメニューの一つである)Laboで講演してくださった方もおっしゃっていたんですが、やっぱり自分の時間の1割か2割、普段の経営者としての自分と全然違う世界に触れていくことの重要性っていうのは本当にそうだなと。特にここ2-3年は何かに繋がる(ことが明確にみえている)こと、意味のありそうなことにしか自分の時間を割こうと思っていなくって。そこが取れたことは良かったと思います。ちなみに私の場合、そういったことが大事だったり楽しかったりで、こちらだけをやっちゃう気がするので笑、それはいけないと思いますから、次の段階としてまた改めてうまくバランスを取るタイミング(※石川さんはこの半年間で一度WDL休会)なのかなと思っています。

消化できないことを消化する
――何か気づきや学びはありますか?

社外の方からの自社の見られ方っていうのが、自分で思っているのとぜんぜん違うなって思います。それは納得感のあることもあれば、そうでない違和感のこともあれば。私の中では毎回必ず何かしらの気づきがある場だったんですよね。また、ドライバー(専門プロ人材)の皆さんの専門分野・バックボーンからの知見は発見が多かったです。例えば事業の各論から組織づくりまでをされている方から活用されていた企画書をお見せいただいたことや、(自社を理解してもらうための)武器をどうやってメンバーに渡すのかという話は非常に参考になりましたし、別な方に、私たちが自社サービスとして束ねている方たちの強みについて非常に解像度高く言語化していただけたことはとてもありがたかったです。なかには会社の出口をどうするか考えてみては?という思ってもみなかったご提案もあって、自社を知らないが故の提案・見られ方があることはとても学びが多かったですね。一方で、こういった内容というのは(WDLに継続参加している)結果として得られるものでもあって、事前に予知できるものではないなとも思いました。

――いろんな偶然が重なる。
一緒に参加していた執行役員からは「消化しきれない」という感想もあったんですよ。でもそれも楽しくて。なんというか「消化できないことを消化する場」だと思います。通常は何か明確なインプットや、何かの実務効果をすごく期待する。ただ、この場はそれだとふわっとしてしまうというか。そんな感覚があります。

――解決策を求めるよりも、課題設定で悩む人にとって良い場なのかもしれません。
そうですね。そこで何か新しい気づきがあった時、自分の予想にはない方向で自社の強みや課題が見出だせるんだと思います。いろんな方と話すと、会社をどうしていきたいのかということを必ず問われるじゃないですか。それによって解決策が変わってくるのはすごく理解しているんですけど、(会社をどうしたいかという)明確なイメージがない中で問われ続けるのが苦しかったんだなとも思いました。

――苦しかったということに(WDLに参加することで)気づいた?
はい。当たり前ですけど、それってWDLに限らず社内でも社外でも経営者は常にさらされていて。ありたい姿や課題を提示してくれたら動けますっていうのもすごくわかるんですけど、そうではないなと。きっと私自身が会社という枠に囚われすぎていたんだと思います。より個人の人格として参加できていたら、もっと変わっていたとも思います。個人で言うと全然違う答えをすぐに出せるんですけど、そこと会社の接続をうまくできるようになりたいなって改めて思いました。

経営者人格と個人人格
――経営者としての人格と、個人としての人格をどう統合するかは、多くの経営者が悩んでいるテーマでもあります。まず一度(その悩み自体を)受容してから見えてくるものがあるのかもしれません。

その意味では、他の経営者に対する共感度がすごく上がりました。(個人としての)自分のあり方を考えながら会社のあり方も考える、この2つの人格の中でどの経営者もものすごく苦しんでるなって。もちろん人にもよるとは思うんですけど。(そういったことを理解した上で)すぐ解決策に走らず、受容するということを自分の中で挟めるようになったことはとても大きいです。今までは自分の中で違和感のあることでも(会社のために)頑張ってやらないといけないと思っていて。

――その苦しみを感じてはいるんだけど、自分であえて分離させていて、周りには言えない。
そうですね。WDLに参加している他の経営者の悩みに対してものすごく共感の声が上がっていましたが、(そういった分離や苦しみを)「いいんですよ」っていう一言があるだけで全然違うんですよね。自分としては違和感のあることでも、立場上求められているからやらなきゃというか。それを自分が勝手に期待されていると思い、勝手に応えなければと思っていたんだなって。

――事業にドライブをかけるというのは、結局経営者の頭の中、マインドセットを書き換えるという部分が含まれると思うんです。リーダーや経営者ってどんどん抽象度が上がるので、事業に直結する何かが得られるみたいなことだけではなく、そこに取り組む必要があると思っています。
そうですね。自分の抽象度を上げていきたいと思っています。何か情報があった時にメタで捉えて、それを自分たちのものとしてどこに焦点を当てるかという部分、なんていうんですかね、捉える力、感覚も含めて。

――会社が軌道に乗るまでは必死だから統合された人格で走ってこられるけれど、どこかでそこが分離していく。
そうですね。会社の課題であればコンサルに入ってもらえばいいんでしょうけど、経営者個人になると、違和感が隠しきれなくなって。でもだからといって、別にメンタルコーチをつけたいわけでもなくて。

WDLとは

――どのような方がWDLに当てはまると思いますか?
私で言うと、1年ほど前から、課題が複雑化している実感があって。人も増え、お客様の属性も変わり、課題の難易度が変わってきていた。そこまでは自覚していたんですが、どうしていいかわからなかったんですよね。当時はそれでもなんとかしなければという思いが強くて、外部に相談もするんですが「まだまだこれからですね」という言葉があった時、ワクワクしなかった自分がいて。それを素直に言えるわけでもないですし。それで何かしっくりきていなかったんですが、(WDLに参加することで)自分の未来に自分で期待することが重要だと気づきました。それを認識した上で会社の課題とどう向き合うのか、ということに自覚的になったというか。なので、誰にどういうルートで相談していいかさえもわかっていない状態で、包括的に話しができる場を求めている。みたいなことはあるかもしれません。細かい課題はありつつも事業はうまく成長していて、でも何かしっくりこないような方。

――改めて、WDLはどんな場でしょう?
会社と個人を同時に扱ってもらえる場だと思います。どちらも扱う必要があるんだと思うんですけど、通常はどちらかに寄ってしまいますよね。それを両方大事だとわかっている人たちが扱ってくれることは貴重だと思います。一旦3ヶ月程度休会しますが、また久々に参加しても違和感なく入れる気がしています。

――そういう場を我々も目指したいです。セルフアウェアネス(全体性を伴った自己認識)ができる経営者に受け入れられる場所でありたいなと。
気づきの量が多い人にとっては素晴らしい場だと思います。何かを与えてもらう、やってもらうという(取引の)考え方ではなく、創発的な気づきが多いこと。そこが大切だと思います。

――ありがとうございました。

【編集後記】事務局 片倉修也
途中、何度も「これ記事として使えないかもしれないですが」とおっしゃっていた石川さんでしたが、編集せずにインタビューをノーカット録画配信したくなるくらいに本音で語ってくださいました。

経営者という役割と個人の願い、どちらかに偏ること無く、それぞれをホールドできる場が求められているのだと感じています。

ちなみに、別日にWDLのドライバーたちによる座談会をLIVE配信した後、それをご覧いただいた執行役員の方からも別途メッセージをいただきました。ご本人に許可をいただいた上で転載いたします↓


私は石川の下で仕事をしていて、日々石川の声を聞き、メンバーの声を聞き、クライアントの声を聞き日々バタバタしているのですが、
外にも中のメンバーにも吐き出す先のないモヤが溜まるタイミングがあります。
それを埋めるために(自分の中で何かに納得するためや、その発信の背景を理解するために)さまざまなインプットをしていますが、WDLで取り上げられるテーマは、今自分では手に取らないテーマや観点ばかりでした。
でも結局話を聞くとめちゃくちゃ面白くて今と未来に繋がっていて学び満載でした。
多分気づかないうちに見る視野がどんどん狭くなってて、まさに解決のためだけのインプットで。
心が震えたり未来にワクワクしたり、そもそも自分のルーツがどうなっていたかに想いを馳せることが全くなくなってたんだなーと気づいたのです。
何かと自分を埋めるだけでは、結局その溝は埋まらないし自分の役割を心地よい場所にすることにはつながらないなと改めて感じた次第です。会社のトップだけでなく、2番手3番手で苦しんでる人たちの孤独な戦いも助けてくれる場所だと信じてます

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