Report

2019.3.31 フェアトレードの学校【ワタシの幸せから広がるソーシャルデザイン】-Report
“自分の幸せの追求”からより良い社会、そして未来へ

「ワタシの幸せから広がるソーシャルデザイン」
~国際女性デーを機に、生き方・働き方を考えよう~



フェアトレードの学校というのは、フェアトレードカンパニー株式会社のフェアトレード専門ブランド”ピープル・ツリー”が主催で開催しているイベント。「フェアトレードってそもそも、何?」という基礎知識に加えて、毎日の生活の中のフェアトレードを衣・食・住(雑貨)に絡めて、その活動内容や背景にある社会問題などについて学べる、楽しい学びの場です。


3月8日(金)は「国際女性デー」。これにちなんで、3月31日(日)のフェアトレードの学校のテーマは、女性の生き方・働き方でした。
ファシリテーターには、フェアトレードカンパニー株式会社の広報/啓発担当である鈴木啓美さん、ゲストスピーカーとして、アトリアを運営する株式会社エモーヴ代表取締役/アトリア主宰の井尾さわこが、現在展開する事業や起業に至った経緯やビジョン、活動の背景にある想いを話しました。




開催場所は、ピープル・ツリー自由が丘店。毎回このイベントに参加している常連さんや、フェアトレードについて知りたいと思った方、井尾のプロフィールに興味を持った方など、たくさんの方が足を運んでくださっており、約40名ものお客様がきてくださり店内は満席でした!
一見すると、エモーヴの事業やアトリアとフェアトレードは関わる部分がないのでは?と思うかもしれませんが、双方が大切にしていること、アプローチは違えど実は根っこと目指す未来は通じていることだと改めて感じた1日でした。



フェアトレードとは?持続可能な社会に必要な女性のエンパワメント

まず初めに、鈴木さんがフェアトレードについてお話してくださいました。
“フェアトレード”という言葉自体はよく耳にするようになったものの、なんとなくのイメージだけで、ちゃんとした意味合いを知らなかったような気がします。

「経済途上国で作られた作物や製品を、適正な価格で継続的に取引することによって、生産者の持続的な生活向上を支える仕組み」

つまりは、貧困・環境の問題をビジネスの仕組みで解決するということであり、貧しい経済途上国が作ったものだから買ってあげよう、という支援の発想ではないということです。
こうした仕組みがあることが、経済途上国の人たちにとっては、フェアな市場に参加できることにより労働環境や仕事の機会を生み出すというとても大きな意味を持っているといいます。
働き手の多くが女性というフェアトレード。フェアトレード団体における女性の活躍についても、WFTO(世界フェアトレード連盟)※以降WFTO から発表されるレポートを元にご紹介してくださいました。





一般的な企業と比較して、フェアトレード団体における取締役や上級管理職の女性の割合は圧倒的に多く、団体自体を立ち上げている女性も多いそうです。
WFTOが定める「フェアトレードの10の指針」の6番に、「差別をせず、男女平等を推進する」と掲げられており、これは2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標SDGs(持続可能な開発目標)の5番目にも掲げてある「ジェンダー平等を実現しよう」でも共通しています。




鈴木さんからのお話の中にあった、インドの生産者団体の方の言葉が印象的でした。

〝男性が教育を受けると本人の人生が変わる

女性が教育を受けると子供が変わる・社会が変わる〟

女性が活躍することは、貧困や差別のない世界を実現するために不可欠なことであり、女性のエンパワーメント(権限を与え、自立すること)は、フェアトレードにおいても重要な課題ということですが、単なる数の上で雇用割合を増やすことや、男性を除外することではないと鈴木さんはおっしゃっていました。
立場の弱い男性ももちろん存在しますし、女性の活躍を促すことが男性を追いやることではないということ、性別ではなく平等とは何か?を考えて行かなければならないというお話でした。



社会に適合するワタシではなく、「ワタシ」を生きるということ

「女性の活躍」という面で、自分自身が感じた世の中における疑問をキッカケに今新しい生き方を切り開いている井尾が、ゲストスピーカーとして鈴木さんよりバトンタッチ。大学卒業後、社会に出てみたら女の子なのに頑張っていて偉いね、と声をかけられるなど、”ヒエラルキーな社会”に絶望すら感じたと言います。

“好きなデザインの仕事をしているはずなのに、なんだか幸せじゃない“何かが違うと自分の中に感じた違和感にフタをせず、自分を生きる手段として「起業」という選択をして株式会社エモーヴを設立。

エモーヴでは、ロゴやHPといった表層的なデザインだけでなく、根本の理念やコンセプトといった目に見えないデザインまで、すべてにおける一気通貫しブランディング構築を行なっているという話。

ファシリテーターを務める鈴木さんの井尾との出会いは、このワタシクリエイトのイベントに鈴木さんをお招きし、逆に鈴木さんがフェアトレードイベントのロゴをエモーヴに依頼したことがキッカケ。
ロゴデザインをデザイナーが作った作品として渡してイメージに合うかどうか有りか無しか、ということではなく、クライアントさんとコミュニケーションを丁寧に取りながら双方で作り上げていくというのが印象的でした。




井尾自身、ワタシを生きるってどういうことだろう?と考えたとき、まずは自分が幸せを感じることをとことんやろう!と思ったそう。社会の枠や誰かの評価にとらわれた中でのワタシを生きるのではなく、誰でもないワタシを生きるという意味で、2013年に「ワタシクリエイト」というコンセプトを掲げ、このコンセプトをテーマに2014年に渋谷ヒカリエでリアルイベントを開催。

初期段階で広告などうつことが出来なかった中で2,000名以上もの方が来場、この時多くの来場者から”ワタシクリエイト”というキーワードに惹かれた、ワタシを生きたいけれどどうすればいいか分からない…という声をもらい、同じ思いを抱えた人が多くいるということを感じたと言います。


出産で腑に落ちた「みんな違ってみんな良い」ということの本質

社会の枠の中にいると、上司に褒められる仕事をしようとしたり、人と比較して落ち込んだり。

でもそれは誰かが求める自分であって自分が本来生きたい自分ではない、どこかの型にハマろうと自分の型を変えてしまうのではなく、自分のままで心地よく生きられる生き方を模索する大切さを話してくださっていました。
現在3歳の子供がいる井尾は、出産時に我が子を見て「あ、本当に違うんだ」と思ったのだそう。
自分の体から生まれた子供でも、見た目も全く違って考える事や感じることも違う、当たり前の事かもしれませんが、本当に人はみんな違うという事をその時に実感したといいます。
井尾が紹介した素敵な言葉と映像をこちらでもご紹介します。

You be You
わたしがわたしでいられますように〟
あなたがあなたでいられますように

映像はこちらで見て頂けます!(https://www.youtube.com/watch?v=HwAQvHBCY2M

広い海に大きな魚もいれば小さな魚も、泳ぐのが早い魚もいればゆっくりな魚もいて、どれが良いというのはなくて、それぞれがそれぞれにありのままでという素敵な言葉でした。
そのYou be Youという名前を会社名に置き、ワタシクリエイトされた人のための100CUSTOM 100LIFEをコンセプトにしたカフェラウンジ型のコークリエイションスペースAtlya参宮橋を運営しているというところに、井尾の大切にしたい事への一貫性を感じました。


自分の幸せを探求する、半径3mから広がる社会の幸せ

“ワタシ”を生きる上で、自分は何で幸せを感じるのか?を自分に問いかける事、自分との対話が大事だといいます。自分の中にどんなニーズがあるのか?今自分はどんな感情なのか?自分との対話を重ねるということ。

井尾があげた例は、旦那さんの帰りが遅くてイライラする自分がいたとして、その感情はなぜ起きたのか?をたどってみると、旦那さんが働きすぎているのではないかという心配であり、旦那さんへの愛情故の怒りであることに気づくという話。自分の感情を客観的に観察して感じて見ると、表面的な感情の背景に自分が本当に求めていることや大切にしていることに気づけるといいます。

井尾が話した、”シャンパンタワーの法則”。 1番上のグラスが満たされていないと、他にも分けることはできない。つまりは自分が満たされていないと他の人にも幸せを提供することは難しいという意味です。
理想の生き方・働き方が出来ないと世の中に悩む必要も、現地に行かないと途上国に貢献できないと形に捉われる必要もなく、自分自身がまずは幸せになるために動くことが半径3mの人へと幸せを伝播させ、そんな人が増えることが社会ひいては未来をよりよくして行く、といったお話でした。

フェアトレードについてまっすぐ語る鈴木さんと、自分のど真ん中を生きて良いんだよ、と自分自身そして事業で体現して訴える井尾の2名の言葉に、目を潤ませているお客様もいました。
終了後、参加者同士での交流はじめ、ピープルツリーさんの素敵な商品を購入される方も多くいらっしゃいました。決して難しいことではないはずです、是非皆さんも今日から「ワタシクリエイト」しましょう!

この記事を書いたのは… 荒井 萌

荒井 萌

イベントMC/コミュニティマネージャー
Atlya参宮橋 広報/企画/経理担当 /水・金のコミュニティマネージャー(ほぼ毎日Atlyaにいます!) 新卒でインターネット広告代理店の営業になり、仕事の傍らカフェやBARで歌うなど音楽活動を行う。 そのうちにリアルな体験を通して人の心を動かしたいと思い、東京ガールズコレクションを企画・制作する企業に転職。 TGCというブランドを活用した新規事業領域を担当する傍ら、フリーでイベントMCや文化放送への出演、また「Voicy」といった声での発信にも注力しており、3月28日には初のCD発売、ライブ開催に向けたクラウンドファンディングは8月に達成、ライブ開催を果たす。 現在は、Atlyaのビジョンに深く共鳴したことをきっかけに、コミュニティマネージャーとしての場づくりはもちろん、 広報・企画/経理として全体に関わっており、Atlyaを通じて世の中をよりよくすべく奮闘中! また休日などは、ウエディングを含めたイベントMC/シンガー/パーソナリティなど、 声で多くの人生を応援するべく「声」を中心として活動中。